排球の女王様~全てを私に捧げなさい! 第二章


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 決勝戦のセンターコートにて二校の選手達がにらみ合っていた。

「よう大崎、覚悟は決めてきたか?莉愛は頂くぞ」

「はっ!ふざけるな。莉愛は渡さないと言っただろう」

「くくくッ……それで、あいつはどうした?まだ来ていないようだが?」

「莉愛はアップが終わる前には来るはずだ」

 両校の選手達がアップを開始していると、一人の少女がやって来た。

「おい、あれ……」

「うっわ!美人」

「キャーー!莉愛様」

「女王ーー!」

 鳳凰の観客席からはどよめきが、犬崎の観客席からは黄色い悲鳴が聞こえてきた。そんな声を気にした様子も無く、髪をなびかせ颯爽と歩く莉愛の姿に、皆の目が奪われる。その圧倒的な存在感に皆の胸が震えた。そして豪は高鳴る自分の胸を鷲づかみにしていた。

「やっべぇな。マジかよ。本気で俺のモノにしてえ」



 *

「大地、最後のレシーブ練習始めるよ」

「わかった」

 大地達狼栄は莉愛に促され、レシーブ練習を開始した。

「いくよ」

 莉愛は膝を使い、高くジャンプするとサーブを打ち込んだ。

「ズドンッ」

 連続して響く、ボールの重低音。

 東京体育館にいる人々が、その音を聞き、どよめく。

「すっげーー」

「これだよ、これ。俺、生で見たかったんだ。今日来て良かった」

「莉愛様かっこいいーー!」