「えっ!?」
まさか、朔が私にそんなことを言ってくれるなんて意外だった。
中学生になって朔がサッカー部に入部してからは、ふたりで一緒に帰ったことはなかったから。
「もし嫌だったら……別に良いけど」
朔が、ふいっと顔をそらす。
「いっ、嫌なんかじゃない! 朔と一緒に帰りたい」
「そっか。良かった」
朔が、ふわっと微笑む。
うわ。朔の笑った顔、久しぶりに見たかもしれない。
歳のわりに大人びている朔だけど、笑顔はまだあどけなくて可愛い。
「それじゃあ千紗、早くこっち来いよ。さっさと来ないと置いてくぞ」
こちらに顔を向けていた朔が、前を向く。
「あっ、待ってよ朔」
私は、朔の元へと駆け出した。



