「朔?」
「千紗と手を繋ぎたかったから繋いだんだけど……ダメ?」
「ううん、ダメじゃない」
私は、頬が緩む。
ただ繋ぐだけではなく、指先をしっかり絡めた恋人つなぎ。
朔と手を繋ぐのは、いつぶりだろう。
最後に繋いだときよりも、うんと大きくなった手のひらはすごく温かい。
───思い返してみれば、朔が私のことをどう思っているのか知りたくてやってみた花占いの結果は『嫌い』で。
一度は失恋したとさえ思った恋だったけど、実際はそうじゃなかった。
大切なのは、ちゃんと声に出して相手に気持ちを伝えることだったんだ。
「ん? どうした? 千紗」
私が朔のことを見つめていると、朔が首を傾げる。
「いやぁ朔のこと、好きだなぁと思って見てたの」
「そっか。俺も……好きだよ」
『好き』と言えば、照れくさそうにしながらも『好き』だと返してくれる。
朔と想いが通じ合ったのだと、改めて実感する。
幸せだなぁ。
今こうして彼の隣にいられる喜びを噛みしめながら、私は朔と一緒に夕焼け空の下を歩いて行った。
end.



