「えーっと、あの。マッ、マーガレットの花が、きれいだなぁと思って見てただけだよ」
「ふーん? そうなんだ。まぁ別に俺は、千紗が何をしてようとどうでも良いけど」
そう言うと、朔はくるりと私から背を向けて歩き始める。
『別に俺は、千紗が何をしてようとどうでも良いけど』……か。
相変わらず冷たいなぁ。
マーガレットを持つ手に、無意識に力がこもる。
好きな人にそんなふうに言われると、さすがに傷つくんだけどな。
ただでさえさっきの恋占いで、最後の花びらが『嫌い』で終わって落ち込んでいるというのに。
ひたすら前を歩いていく朔と、その場に立ち止まったままの私の距離が、どんどん開いていく。
私と朔の心の距離も、これくらい長く開いているのかな?
一度もこちらを振り返ることなく歩く朔の後ろ姿が、だんだんと小さくなっていく。
「なぁ、千紗」



