スキナダケ

お姉さんは鞄の中からスマホを取り出して電話をかけ始めた。

「あ、もしもしぃー、お待たせ。うん…うん、そう。場所分かるよね?うん、二階の。待ってるね。はーい、じゃあねー」

そこからは十分もかからなかったと思う。
最初からどこかで待機してたのかもしれない。

インターホンも鳴らさずに、いつもそうしてるから慣れてるって感じで、男が三人入ってきた。

みんな同年代に見えるから、お姉さんの大学の同期なのか。
やけに親しげだった。

このお姉さんが熱心に男遊びしてるようには見えなかったけれど、
ハナはこの人のことなんて何も知らない。
人は見かけによらないんだ。

いかにもスクールカースト上位に君臨していそうなハナが嫌われ者だったみたいに。