スキナダケ

「大した理由も無いのに死んじゃうなんてもったいなくない？」

「え？はは…あはは！もったいないって、ハナちゃんがそれ言うー？」

「あー、うん。そうだよね」

「今まで何人殺してきたの？よくバレてないよね。死人に口無し…か」

「…で？本当にヤッちゃっていいんだよね？」

「なんかさ、平凡な毎日に病むことだってあるでしょ。別に大きな事件があったわけじゃないけど、毎日の積み重ねにうんざりすること。何が嫌なのか自分のことなのによく分かんないけどさ」

自分のことなのによく分からない。
その言葉にだけ同意する。

それ以外はよく分からない。
というか、死にたいも生きたいもハナはまだ何も感じない。

死なないから生きてる。
それだけだ。