スキナダケ

「私とは違う体」

「うん」

「なのに…」

「うん」

「こんなに綺麗。私よりも…ずっと」

女の子に見間違うくらい可愛いアイコン。

アイコンじゃなくても、
実物だってそれなりに可愛い自覚だってあった。

ネットの中では最初から男であることを隠さなかった。

その方が、人間がよく釣れた。

釣れるのは女の子ばっかりだったけど、
ハナはきっと、力はそんなに強くない。

本当の女の子よりはちょっと強いくらい。

殺したいハナと、綺麗な男の子に殺されたい自殺志願者達の利害は一致した。

こんな見た目のハナは、ネットでウケた。
神様になれた。

綺麗な男の子と最期にしたいことしたいならそうしてあげたし、
可愛い女の子がいいならそうしてあげた。

中学生のハナはまだ周りみたいに体も大きくなくて、スポーツもやってないから、服を着てれば骨格もガッシリとはしていなかった。

でも服を脱げば、違う。
あぁ、本当に男なんだって、自分でも思った。