スキナダケ

「ハナちゃん、本当にいいの?」

「うん」

「ありがとう。じゃあ…はじめよっか」

イチは壁を背にして座った。
ソファもチェアもベッドも何もないから、床に直接。

外は猛暑だし、住人を無くしてガランとしたこの空間でさえ蒸し暑いのに、床は不思議と少しひんやりした。

「服、脱いで」

「恥ずかしいよ」

「どうせ今から死ぬんだしいいじゃん」

「じゃあ…ハナちゃんが脱がせて」

「分かった」

イチが着ていた白いリネンシャツのボタンに触れた。
服を着せたまま、この白いシャツが赤く染まっていくのを観察するのもいいかもな、なんて思った。

「あ、ちょっと待って」

ふいにイチがストップをかけて、四個目のボタンを外そうとしていたハナの手は止まった。
薄いピンクのブラが見えていた。