スキナダケ

口の奥、こめかみ、喉仏。
今日だけで三種類も見れて興味深い。

毒薬は結局使えなかったけど、また次にすればいい。こいつらにはジワジワと時間をかけてやる価値も無いし。

「さて、と」

ぐるっと見渡したら、部屋の雰囲気がさっきまでとは全然違うように見える。

白かった壁もフローリングの床もほとんど赤。
転がる三体の死体。

どう考えても異常な光景なのに、当たり前みたいな顔でおじさんが煙草を吸い始めた。

さぁ、いよいよお姉さんの番。

「お待たせ」

「ヒッ…」

小さく悲鳴を上げたお姉さんは「お願い、許して、お願いします、お願いします、なんでもします」って繰り返した。

「じゃあ死んでよ。てか別になんにも損しないじゃん。最初からその予定だったんだし」

「違うっ…!違うの!ごめんなさい、本当にごめんなさい!ちょっと遊びのつもりだった、それだけだったのごめんなさい!!!」

お姉さんの髪の毛を掴んで、後ろの壁に思い切り打ち付けた。

「ギャッ…」

「ハナが、」

「ア…アッ…」

「ハナが、こんなことしないって思ってた?男三人でも連れてくれば余裕だって思ってた?ねぇ、言ったよね?ハナだって男だよ?」

「ごめ………ッ」

「うるさいよ」