スキナダケ

「ありがと」

「いいや。コイツは絶対俺の手で殺すって決めてたんだよ」

「嫉妬?」

「チッ」

お父さんの舌打ちを聞いて、おじさんが呆れたように深い溜め息をついた。

金髪は太ももを押さえたまま、歯をガチガチ鳴らして震えていた。

放っておくのも可哀想だから今度は金髪の傍にしゃがんで、耳元で囁いた。

「ね、自分の舌噛んでみて?…どう?ゆっくり噛んでもなんにもなんないでしょ。こういうのはね、思い切りが大事なんだよ。ミルフィーユと同じ。ね?」

お姉さんを見たら首をブンブン横に振って、目から涙をボロボロ溢してる。

「あなたも僕で遊びたいって言ってたよね?暇潰ししてくれるんでしょ?」

「う…うぁあ…ごめっ…なさ…」

あんなに威勢の良かった金髪が幼稚園児みたいに泣きじゃくって許しを請う姿は正直…なんていうか、虫唾が走る。

ますます許してあげたくなくなる。
すごくくだらないから最期もツマンナイ終わり方をして欲しい。

だからもう一度お父さんに目配せしたら、お父さんも頷いてスッと躊躇なく金髪の喉仏から銃で撃ち抜いた。