スキナダケ

「わたッ…私達どーなんの」

「さーなぁ？コイツ次第だなぁ？」

お父さんがハナの髪を撫でる。
お気に入りの着せ替え人形を穢されそうになったお父さんの目は確かに怒りに満ちてる。

「こんなの絶対おかしいから！訴えてやる！そしたらあんたも終わりよ！」

お姉さんがおじさんを睨みつける。
おじさんは全然怯まない。
なんにも感じてない目で「まぁー、死人に口無しってな」って言った。

その言葉はさっきお姉さんが言ったばっかりで笑ってしまいそうになった。

お姉さんの口からヒッ…って小さく声が漏れた。

「華楽。どーする」

「決まってんじゃん。消してよ」

「りょーかい。どいつから」

お父さんのギラついた目が三人を順番に見る。

痛みにもがく金髪の苦しそうな呼吸が耳障りだった。

「んー、この人かな」

茶髪を指差した。
ガクッと膝を落とした茶髪がもげそうなくらい首を振った。

「何でだよ！何でだよ！俺は何もしてないだろ！」

「何もしてないからだよ」

「はッ…だったら俺のことは…！」

「何もしてないから最後に残しとく価値も無いでしょ。だからオープニングを飾る役をさせてあげようと思って。」

「なんッ…なんで…おいやめろ…ヤメッ…」

長く話してる価値も無い。
長引かせたってハナにはなんの利益も無いし。