すると先輩が口を開いた。

「1年の子だよ、背の低い方。お前らちょっかい出すなよ」

そう言って先輩は私の方を見てニッと笑った。
私は恥ずかしくて、気まずくて、戸惑っていた。
すると先輩がこちらに歩いてきた。

「ハル次体育?」

私の前に立った先輩がそう言って私の顔を見た。
私はパッと目をそらして質問に答えた。

「体育…です」

なぜか緊張して心臓がうるさくて破裂しそうだった。
胸がぎゅっとするような感覚がした。

「がんばってね。…てか、ポニーテールもかわいいね、おろしてんのもかわいいけど」

思いもよらない先輩のその言葉に私はびっくりして、顔を上げた。
一瞬だけ先輩と目が合ったけど、先輩はすぐにまたみんなのところへ戻ってしまった。

な、なに今の…。

びっくりして心臓がドキドキしている。
嬉しいような、なんだか胸がふわっと浮き上がるような感覚がした。