(これは売れるかもしれない。しかし、もっと判断材料が欲しい………)


と、その時だった。



午前中の業務の終わりを告げるチャイム、すなわち昼休みを報せるチャイムが鳴った。


その音を聴いた海老原に、あるアイデアが浮かぶ。



「ちょうど良かった。鰒田君、もうすぐ【松芳庵】が盛り蕎麦の出前に来るから、そのフェイスシールドを使って食べてみてくれないか？」


海老原部長からの突然のリクエスト、まったくの想定外であった。


「えっ、そ…蕎麦ですか？」


「そうだよ。蕎麦を食べる事なんて、そんなに珍しい事でも無いだろう。」





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