「…おい朔空。小桃ちゃんが来てたぞ」
小桃ちゃんには呼ばなくていいって言われたけど、俺は朔空に声をかけた。
朔空の右腕に抱きついている白樺(しらかば)絵梨花(えりか)。
みんなこいつのこと可愛い可愛いって言ってるけど、俺はこいつのことが嫌いだ。
なんか甘ったるい匂いがするし、俗に言うぶりっ子みたい。
「え、小桃が?」
そう言う朔空の表情から、今自分が置かれてるヤバい状況に気づいていないことがわかった。
…さっきの小桃ちゃんの泣きそうな表情。
俺に見せた笑顔も、絶対に作り笑顔だった。
「あぁ、これをお前にって」
と、俺は朔空にさっき小桃ちゃんから渡されたハンカチを渡した。
「ありがとう。…てかお前小桃と話したの?俺話すなって言ったよね?」



