「…ほら、泣き止まないと目腫れるよ」


 先輩はそう言うと、自分のハンカチで私の涙を優しく拭ってくれた。


「ひくっ、…すいません」


「あーあ、赤くなってる。…この後授業でしょ?大丈夫なの」


「大丈夫です…たぶん」


 もうすぐ授業が始まるので、私は先輩からハンカチを洗って返すのでと受け取って、教室に向かった。


 保健室を出る頃には、私の涙は止まっていた。