「いえ、違いますよ」
桐生先輩の身を案じて、私は黙っておくことにした。
「…ま、いいや。小桃、おいで」
と、先輩は私に向けて大きく両手を広げた。
私はその腕の中に飛び込んだ。
そして先輩は私を抱きしめたままベッドに倒れた。
「はぁ…やっと寝れる」
先輩はそう言うと、私のことをより一層強く抱きしめた。
「やっぱりさ、小桃可愛いよね」
「な、なんですか急に…」
そんなにストレートに言われると、本当に照れてしまう。
「急なんかじゃないよ。ずっと思ってる」
…先輩は、ずるい。
「もう…やめてください!」
私が顔を赤くしながらそう言うと、先輩は目を細くして笑った。
先輩とたわいもない話をしていると、いつの間にか意識が遠のいていった。



