「…おい、大河」


 と、後ろから誰かに抱きしめられた。


 この声は…榛名先輩っ!?


「えっ、は、榛名先輩!?なんで、てか、離れてください!」


 ここは人通りが少ないからって言って、誰も通らないわけじゃないし、見られて誤解されるこっちの身にもなってください…!


 私が榛名先輩の腕の中でもがくが、先輩の力が強すぎてびくともしない。


 私は力の差を感じて、抵抗するのを諦めた。


「へぇー結構仲良いんだね」


「そーだよ。…小桃がなかなか来ないから様子見に来てみたら。小桃になんの用?」


 わざわざ見にきてくれたんだ。


 なんか申し訳ないことしたな…。


「んー、別に?朔空の友達ですって挨拶してただけだよ。だって気になるじゃん?あの榛名朔空が溺愛し…」


「うるさい大河」