そしてドアを開けると、
「…小桃、いる?」
と言った。
小桃?うちのクラスに小桃とかいたっけ…。
…いや待てよ、小桃って…私!?
「えっ、ちょっと小桃、呼ばれてるよ!」
な、なんで先輩が私を…。
サァ…ッと全身の血が引いていくのを感じた。
2組の中を見渡した先輩は、その中に私を見つけ、
「…いた、小桃」
と、真っ直ぐに私の方へ向かって来た。
先輩が来ちゃう…!
私はとっさに唯香ちゃんの後ろに隠れた。
そんな私にお構いなしにどんどん近づいてくる榛名先輩。
「なんで隠れるの」
「隠れますよ…!なんでここに来たんですか!?」
私は小さな声でそう聞いた。
「えー…だって、小桃ともっと一緒にいたいなーって思って。一緒に同じベッドで寝…」
「うわぁー!!ちょ、せ、先輩行きましょう!!」
先輩本当に何考えてるんですか!!
こんなみんなに見られている中で一緒に寝てるとか言いますか普通!
焦る私とは裏腹に、いつも通り無気力な先輩。
すると私の手を取って、
「…うん、じゃあ行こ」
と、歩き出した。
えっ、私、どこに連れて行かれるの…!?