「あ、あのっ、私、先輩とは一緒に寝れません…!」


 先輩からの視線が痛くて、私はうつむいたまま言った。


「…なんで?」


 その一言で、その場が一気に凍りついたように感じた。


 これ以上言うのは、先輩を怒らせてしまう。


 そう私の直感が警笛を鳴らしていた。


 …でも、


「せ、先輩は女の子からとても人気があります。なので、私みたいな平凡な女子が先輩と寝るなんて、本当に恐れ多いんです。…あと、女の先輩方にこのことがバレたら、何されるかわからないので」


 もしバレたら…。


 私はどうなるんだろう。


 その未来を考えると悪寒がした。


「…そうなんだ。せっかく、これからしっかり寝れると思ったのに」


 小さな声でそう言うと、先輩はベッドに腰を下ろしてうつむいた。


 さっきの怒りの雰囲気とは打って変わって、急に悲しそうなオーラになった。