「ありがとうございます…!」 と、私の両手を彼のそれで包み込んだ。 「…い、いえ」 恋愛経験の少ない私は、こうやって手を握られるだけで顔が赤くなってしまう。 水樹くんから変な感じに見られてないかな…? 「…あ、そういえば、先生に伝えなきゃいけないことがあるんでした!椎名さん、ありがとうございました。また来ます!」 と、水樹くんは私の手からパッと手を離し、保健室を後にした。 …今、水樹くん、椎名さんって言った? 私、自己紹介とかしてたっけ? …ま、いっか。