キミのとなりで夢を見て



 …もしかして、ここに来たのもこれから逃げるためなのかな。


「ずっとこんな感じなんですか?」


 私が聞くと、水樹くんはゆっくりとうなずいた。


 …それは大変だな。休み時間なのに、休めないじゃん。


「…すいません、こんなことに保健室を使っちゃって。もう来ませんので…」


 と、申し訳なさそうに席を立つ水樹くん。


 その後ろ姿に私は、


「…別にいいですよ?ここ使っても」


 と言った。


 私の言葉を聞いた水樹くんは、私の方を見て目を見開いた。


 …あれ、なんか変なこと言ったかな?


「…でも、迷惑じゃ」


「いえ、大丈夫ですよ。…とは言っても、私が当番の月水金だけですけど」


 他の人が当番の時はいいかどうかわからないしね。


「…本当にいいんですか?」


「はい、水樹くんがよければですけど」


 と、私が言うと、