そう思った私は、その寝てしまったという事実だけ切り抜いて、唯香ちゃんに話すことにした。


「実は…保健室に行ったら、金色の髪の男の先輩がいて…」


 授業中なので、ささやくような声で言った。


「えっ、行ったらもうすでにいたの?」


 という唯香ちゃんの言葉にこくりとうなずいた。


「それって…榛名(はるな)先輩じゃない?」


「ハルナせんぱい…?なに、そんなに有名な先輩なの?」


「うん。榛名(はるな)朔空(さく)先輩は、いっつも保健室にいるって有名だよ。授業もまともに受けてないんだって」


 授業も…?あ、そういえば、


『俺、授業受けないから』


 って、先輩言ってたような…。