5時限目の授業中、私は授業も耳に入らないほどさっきのことが頭から離れなかった。
な、なんだったんだあれはっ…!
確かに寝不足だったのもあるんだけど、初めて会った見ず知らずの先輩と寝てしまうなんて…。
というか、あの先輩の名前も知らないんだけど。
「小桃、なんかあった?」
百面相をしていた私を心配したのか、隣から唯香ちゃんが小さな声で話しかけてくれた。
「唯香ちゃん…!えっとね…」
そこまで言いかけて、私は口をつぐんだ。
…見ず知らずの男の先輩と寝てしまったなんて知ったら、さすがの唯香ちゃんでも幻滅するんじゃ…?