キミのとなりで夢を見て



「なにがですか…。というか、なんでこんなことをっ…」


 今まで恋愛というものをしたことがない私にとって、同じベッドの上で抱きしめられるなんて刺激が強すぎて、言葉もままならなくなる。


「なんか抱き心地よさそうだったから」


「えっ、それって太ってるってことですか…!?」


 あー、お菓子食べ過ぎたかな…。


「違う。柔らかくていいってこと」


 先輩はそう言うと、私を抱きしめる力をさらに強くして、私の背中に顔をうずめた。


 すると少ししてスゥ…という寝息が背中越しに聞こえてきた。


「えっ、ちょっと先輩…?」


 私がそう呼びかけてみるが、返事はない。


 本当に寝ちゃった…?