恋人は幽霊

「明日からまた仕事だわ、頑張らなくちゃ」
「夢香は頑張り屋さんだね」
陸は夢香の頭を撫でる。
「やりがいのある仕事が好きなの」
「夢香らしいね」
夢香はやればやっただけ収入になるので、毎月表彰されるように頑張っている。
「陸はもし生きていたら、やっぱりシェフになっていたわよね?」
「どうだろうね、料理は好きだけど仕事としてはね」
「シェフだってやりがいのある仕事じゃないの?」
「そうだけど」
「今は私専属のシェフさんね」
「そうだよ、その為に僕は死んだのかもしれないね」陸が笑う。