恋人は幽霊

「寝なくてもいいなんて羨ましいわ」
「幽霊だからね、食べなくてもいいし、寝なくてもいいし。寝ようと思えば寝れるけど寝る時間がもったいないんだよね」
「それじゃぁ、寝てないの?起きて何かしてるの?」
「何もしてないよ」
夢香は陸のことを不審に思った。
何もしてないって暇じゃないのかなと。
「陸はやっぱり不思議な人だわ」
「ただの幽霊だよ」
ただの幽霊。そんなこと言われても、幽霊になったことがないからわかる訳がない。
「ホームパーティの日は出てこないでね」「それはどうかな」陸は笑った。
「私の友達に知られたくないの、お願い」