恋人は幽霊

「僕がいつどうやって?」
陸は惚けている。
「みっくんが自殺なんてするわけないもの!」
夢香はまだ泣いている。
「どうして亡くなったの?」
「電車に跳ねられたのよ」
「自殺じゃなかったら事故かもしれないね」
陸はまだ惚けている。
「陸、あなた、みっくんをつき飛ばしたの?」
「僕がそんな事するわけないだろ」
「じゃあどうして!?」
夢香は過呼吸を起こしていた。
「夢香これ。落ち着いて」
陸はキッチンから紙袋を持ってきて夢香に渡した。
夢香はそれを振り払い、家から出て行ってしまった。