恋人は幽霊

「あー夢香、俺だけど」
「みっくんどうしたの？」
「うん、もう陸もいないしそこに住んでなくてもいいだろ？俺と一緒に暮らさないか？」
「そんな、急に言われても」
まるでみっくんがまだ陸がいると知っているかのようだ。
「夢香と一緒にいたい」
「でも」
夢香が困惑する。
「考えておいてな」
「考えるわ」
電話は切れた。
みっくんは試しているのかもしれない。
みっくんが夢香を好きなのは確かだが、陸の存在に気付いているのかもしれないと、夢香は思った。