文化祭。私たちのクラスでは、コスプレをして軽食を提供することにこの前決まったけど、そのコスプレには条件がある。


普段のイメージとは真逆のコスプレをすること。

例えば、健康的に日焼けしているサッカー部の男子が、メガネの文学少年風コスプレをしたり、優等生の学級委員長がギャル風になったり。

とはいえ、普段のイメージなんて身内にしかわからなくて面白くないだろうということで、いつもの写真と簡単なプロフィールを教室内に展示して、それが誰かを探すなんていうゲーム要素も組み込むそうだ。



「ちなみになっちゃんは何にするの?」


「……白いワンピースに三つ編みの、ピュアで気弱なお嬢様」


「なるほど真逆だ」


「ちょっと」




あ、やば。正直な反応しすぎちゃった。

気の強めな派手系女子の逆、だもんね。




「皆、『自分のイメージはこうです』って申告するの恥ずかしいから、他の人考えてもらったりしてるみたいよ。あんたらカップルはお互い選んであげたら?」