島津くんしっかりしてください

「あはは、褒めて頂けて嬉しいです。ところで何か御用ですか?」



「あーそうだ。今日の放課後、時間あるか?」



「今日?」






すぐさまスマホのカレンダーアプリを起動し、予定を確認する。






今日は、月曜日。







「……まぁ、少しなら」



「本当か、じゃあ今日の放課後職員室まで来てくれ。
文化祭実行委員に頼みたい仕事があるんだ。島津には俺が話しておくから」




「わかりました……」







本音が漏れそうになるのを押さえて、渋々頷く。





席に戻ると、加奈子が心配そうにこちらを伺っていた。






「誠大丈夫? 今日なんも予定入ってないの?」



「まぁ、バイトも今日は時間遅いし……今日は金曜日じゃないから。まだ、ね」



「……そっか、月曜日だもんね。でもなんか手伝えることあったら言ってよ?」



「はーい、わかってますー」







返事をして私は母親に連絡を入れようとスマホを取り出した。






『すみません、今日の放課後先生に呼び出されてしまったので、お迎えをお願いしたいです』



ついでにお願いのポーズをしているクマのスタンプを送る。







……やっぱりすぐには、既読つかないか。






まぁ、どうぜ寝てるんだろう。





大丈夫、起きたときに絶対スマホは見るだろうし、この連絡は伝わるはず。






今までだって何度かこんなことはあったし。



そう考えてスマホをプリーツスカートのポケットに仕舞った。