「つまらない相談なんてとんでもない。こちらを信用していただいてありがとうございます」
五嶋さんは、鞄から小ぶりなノートを取り出すと、白紙のページを広げた。
R59-139、と書きつける。
「ご主人がこれを奥様の色と仰っていたとのお話でした」
ええそうなんです、と玲美さんが頷く。
「わたしには何のことやら…仕事のことは話さない人でしたし…」
なるほど、と五嶋さんが小さく相槌をうつ。
あくまでも推測ですが、と前置きして「この色番号は、奥様の名前を表しているのではないでしょうか」
「わたしの名前、ですか?」
玲美さんが戸惑ったように眉を寄せる。
「はい、印刷関係のお仕事をされていて、職業柄色にお詳しかったご主人だからこそ思いつかれたのかもしれません。
この番号のアルファベットと、奥様の名前の頭文字が両方Rだと、ふと気づきまして。きっかけはアシスタントの早川の何気ない一言だったんですが」
いきなり自分の名前が出てきて、背筋が反射的に緊張する。
五嶋さんは、鞄から小ぶりなノートを取り出すと、白紙のページを広げた。
R59-139、と書きつける。
「ご主人がこれを奥様の色と仰っていたとのお話でした」
ええそうなんです、と玲美さんが頷く。
「わたしには何のことやら…仕事のことは話さない人でしたし…」
なるほど、と五嶋さんが小さく相槌をうつ。
あくまでも推測ですが、と前置きして「この色番号は、奥様の名前を表しているのではないでしょうか」
「わたしの名前、ですか?」
玲美さんが戸惑ったように眉を寄せる。
「はい、印刷関係のお仕事をされていて、職業柄色にお詳しかったご主人だからこそ思いつかれたのかもしれません。
この番号のアルファベットと、奥様の名前の頭文字が両方Rだと、ふと気づきまして。きっかけはアシスタントの早川の何気ない一言だったんですが」
いきなり自分の名前が出てきて、背筋が反射的に緊張する。



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)