不思議な感覚にとらわれる。
年齢から単純に “おじさん” というカテゴリーに括っていた相手が、“男性” なのだと、そんな当たり前のことに気づいたのだ。
「今まで自由気まま、というか好き勝手にやっていたからなぁ」
と彼は誰ともなくつぶやいている。
とりあえず、わたしの最初の仕事は、部屋の整理整頓になりそうだ。
「スキャナーで読みこんで、電子化するのではダメなんですか?」
散らばっている冊子をとりあえず拾い集めながら、五嶋さんに訊いてみる。
「紙媒体の良さも、捨てがたいものがある」
オフィスチェアをくるりとこちらに向けて、彼が言う。
「ページに触れるから、身体感覚と連動して記憶することができるんだ」
膝に置かれた手がページをめくる仕草をしている。
身体感覚と連動…わたしには理解が及ばない話だった。
そして彼の言葉が大袈裟でないことを、わたしはすぐに知ることになった。
年齢から単純に “おじさん” というカテゴリーに括っていた相手が、“男性” なのだと、そんな当たり前のことに気づいたのだ。
「今まで自由気まま、というか好き勝手にやっていたからなぁ」
と彼は誰ともなくつぶやいている。
とりあえず、わたしの最初の仕事は、部屋の整理整頓になりそうだ。
「スキャナーで読みこんで、電子化するのではダメなんですか?」
散らばっている冊子をとりあえず拾い集めながら、五嶋さんに訊いてみる。
「紙媒体の良さも、捨てがたいものがある」
オフィスチェアをくるりとこちらに向けて、彼が言う。
「ページに触れるから、身体感覚と連動して記憶することができるんだ」
膝に置かれた手がページをめくる仕草をしている。
身体感覚と連動…わたしには理解が及ばない話だった。
そして彼の言葉が大袈裟でないことを、わたしはすぐに知ることになった。



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)