優晴くんは別のお客さんの接客中だったので話しかけず待っていると

「はい、美玲ちゃんにこれ。」

と言ってオーナーが私の前にカクテルを置いてくれた。

「ありがとうございます。」
私がお礼を言うとこそっとオーナーが聞いてくる。

「最近来てなかったけど、優晴と何かあった?」

「いえ、私が一方的に優晴君のこと好きになったんです。
妹にしか見られてないの知ってるんですが。」

というとオーナーは優晴君のほうを見て
(不器用な奴…)とぼそぼそっとつぶやいていたが私には聞こえなかった。