灯りを絞った間接照明にぼんやりと照らされたリビングで、ゆか子は目を覚ました。 壁の時計を見ると、22時を少し回ったところだった。 カチカチと時計の針の音がやけに響く。 暖房の効いた部屋は思考をぼんやりさせる。 一瞬、夜が明けたのかと思ったが、そんなことはなかった。 夫の洋樹の帰宅を待っているうちに、睡魔が襲ってきて、少しだけ目を閉じたら眠ってしまったというわけだ。