ハンバーグはとてもおいしくて、みんなでわいわい食べるのも楽しかったけれど、雨は強くなる一方だった。

 ざんざん降りになって、お父さんが「雨戸を閉めるか」と言って閉めて少し音は落ち着いたけれど、それでもまだ聞こえる。

「羽奈、まだ寝ないの?」

 夜も更けたのに、リビングでテレビをつけたままの私を見て、出雲くんが不思議そうに言ってきた。

 出雲くんは出雲くんで、何故かタブレット端末をいじっていた。

 普段なら自分の部屋でやるだろうに、イヤホンをして、なにか作業をしていたのだ。

 それは少し不思議だったけれど、一応ドラマを見ていたので私はそれに集中していた。

「う、うん。このドラマ見ちゃったら……」

 私はぎくっとしたけれど、笑って答えた。

 でも出雲くんには眉を寄せられてしまう。

「いつもなら録画かタイムシフトしてんじゃん。もう寝るからって」

 指摘されて、その通りだったので私は一瞬詰まった。

 でもすぐにごまかすように言ってしまう。

「り、リアタイしたいだけだって」

「嘘つけ」

 笑って言ったのに、きっぱり言われてしまった。