「そりゃ、こういう活動してるんだから」

 私がほめたことには照れたように言われた。

 私の胸が小さく跳ねる。

 こういう顔はあまり見られない。

 しかも、なんとなくかわいい、なんて思ってしまうのだ。

 年上の、しかも男子におかしいかもしれないけれど、ふわふわの髪も相まって、子猫のようにも見えてきてしまう。

 そんなこと言ったら怒らせそうだから言わないけれど。

「あ、そうだ。差し入れの菓子が届いたんだ。お前、一緒に食わね?」

 出雲くんはタブレット端末をテーブルに置いて、立ち上がる。

 テーブルのはしっこに置いてあった缶に手を伸ばした。

「えっ、差し入れ? 見てくれるひととか?」

 私は驚いた。

 まさかスペチャと呼ばれている投げ銭とは別に、こういうものまでもらえるなんて、知らなかったのだ。

「ああ。あ、匿名配送(とくめいはいそう)を設定してあるから、ここの住所はバレてねぇよ」

 出雲くんは缶を引き寄せながら言ったけれど、私は詳しくないたぐいのことだ。

「そうなんだ? そういうのよく知らないから……」

「そう? ま、おばさんたちには言ってあるし」

 軽く首をかしげた私に出雲くんはそう言って、話をひと区切りさせた。