図書館なら、中学生がいても、テスト期間中くらいにしか思われないだろう⋯。

図書館に着くと、健悟は図鑑が置いてある場所に行き、喜々良は恋愛小説が置いてある場所に行った。

恋愛小説を読んでいると、

「こらっ!」

後ろから肩を叩かれた。

ビクリと肩が揺れる。

「ははっ、相変わらずビビりだねぇ」

そこには佑典がいた。

「先輩こそここで何してるんですか?」

「図書館と行ったら勉強だろ!」

得意気に数式が並んだノートを見せる。

「や、もう結構です」

喜々良が頭を横に振る。

「じゃ、俺、帰るわ!」

「ええ~、帰っちゃうんですかぁ?」

思わず、大きな声が出て、司書がこちらを見ている。

「マズイ⋯」

佑典は呟くと、喜々良の手を掴んだ‐。