小さい頃、私はいつだって泣いていた。

両親を事故で亡くしたときも、持病の治療が辛いときも。いつもいつも泣いていた。

泣いていれば必ず誰かが「大丈夫?」と寄ってきてくれた。大人の哀れみに甘えて、泣き虫を演じていた。
今思えば、なんてずる賢い子供だったんだろうと罪悪感を憶える。



けれどある日を超えてから、一時も泣いていない。
私は自分勝手で未熟だと気づいてしまったから。



…なのに、どうしてかなぁ。

羽柴くん、君と出会ってからは上手く取り繕えないんだ。悲しければ泣きそうになってしまうし、嬉しければ自然と笑いが溢れる。



たかがたったの3か月、を



されど3か月もある、に変えてくれたのは間違いなく羽柴くんだよ。他の誰でもない。



もし願いが叶うなら神様、彼を、

優しすぎて無理をする羽柴くんを、助けてあげてください。