青い星を君に捧げる【零】

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本当に彼は用意周到だと思う。今日はやけに荷物が多いなと思っていたけど、まさか食材を持ってきていたなんて。


この百合の宮に目ぼしい食料がないことを見越している行動にはムッとした。


楽しそうに鼻歌を歌いながらエプロンを着た佑真がキッチンテーブルに材料を広げる。ちゃっかり二人分のエプロンまで持ってきていて、私もブラウンの可愛いエプロンを着させられた。


「料理初心者の波瑠さんと今日はサンドウィッチを作りたいと思います!!」


たまに匡が使うくらいでほぼ誰の立つことがなかったキッチンが彼によって色づき出す。キラキラと。


思えば佑真と出会ってからだ。色褪せていた私の世界が鮮やかに色がついて輝き出したのは。毎日朝起きることに幸せを感じ始めたのは。


全部彼のおかげ。


「……美味しくないものなんか食べたくないから、ちゃんと見ててよ」


テーブルに置いてあるトマトを取り、水で洗う。

つくずく可愛くない。もっと佑真の横にいて素敵な女性になれればいいのに。


「俺こう見えて料理は得意なんで任せてください!!」


遅れて彼は卵とどこから出してきたのかボールを持って私の隣に立った。