青い星を君に捧げる【零】

「どうして今日、私を助けてくれたの?そもそもどうしてあの場にいたの?」


何故私たちはこんなにも再会するのか。偶然なの?


どうして、何故と疑問は増える一方だった。聞きたいことが沢山ある。


「興味、かな。ちゃんと話してみたかったんだ。ちょうど繁華街が俺の散歩コースで、それでたまたまあなたを見つけました」


佑真にとって私を助けたのはほんの気まぐれ。だけど彼の気を引いたのが私であったことがどうしようもなく嬉しかった。


世界に埋もれていた私をやっと見つけてくれたような。


あの家にいるのが苦しくて、逃げたくて。夜な夜なまるで夢遊病のようにふらふらと歩き回る。


「佑真はいい人だね。優しくて、明るい」


お兄ちゃん気質というか、そんな感じ。妹とか弟がいるのかな。


「……いい人、か。俺の事を深く知ったらきっと波瑠さんはそんなこと言えなくなりますよ」


彼の言葉に影が差す。その真髄はどこにあるのか。この時ばかりは佑真の微笑みに含まれた意味を悟ることは出来なかった。


「……さてと、そろそろ頃合だ。送ります」


ベンチから立ち上がった佑真は腕を大きく振り上げて伸びをしながら言った。