「こんにちは〜」


入るとおばあちゃんがニコニコと迎えてくれた。見たことのないお菓子が所狭しと並んでいて心が躍る。キョロキョロと背の低い棚やら壁に飾られているものを見物する。


「おにいちゃんはここら辺の子じゃないね〜」


「そうなんですよ、電車を乗り間違えちゃって」


店先に置いてあった小さな子供用の籠を取り、気になるお菓子を入れていく。どれもコンビニには置いてないであろうものばかり。


「それは災難だったね。でも都会の子だったら田舎は楽しんじゃないかい?」


「はい、とっても!俺こういうところに住むの憧れてるんです」


籠いっぱいのお菓子をおばあちゃんに渡すと、楽しそうで何よりだよと言われる。……ちょっとはしゃぎ過ぎたかなぁ、とブレーキをかけた。


「行くところがないなら、この先の公園がおすすめだよ。景色がそりゃあ綺麗なんだ」


ちょうどの金額分渡して紙袋に入ったお菓子を受け取った。おばあちゃんにお礼を言ってお店を出る。


買ったばかりの冷えたゼリーを早速袋から取り出して咥える。せっかくおすすめされたんだから行ってみるかと、教えてもらった道を思い出しながら再び歩き出した。