つい、1週間前までは、二人仲良く過ごしていたのだった。たまにお互いの家に行って、お泊まりもしていた。なのに、私は彼に、一方的に別れを突きつけてしまった。
理由は単純なことだった。慶斗が私に黙って女の子とデートに行っていたのだった。遊ぼうと誘ったとき、用事があるからと断られて、仕方なく友人とショッピングモールへと向かった日だった。
「ね、るる。あれ、るるの彼氏じゃない?」
「女といるじゃん…」
「…るる?大丈夫?」
大丈夫じゃなかった。なんで。これまで、仲良く過ごしてきたと思っていたのに。
その日は友人たちに断って、家に帰った。
次の日には、慶斗は私の家へと訪ねてきた。私がデートの約束をすっぽかしたからだった。
「…るる?どうした?いつもにましてワガママだなぁ」
呆れながらも、微笑んでくれる慶斗に、暗い感情ばかりが浮かんでくる。
「そうやって、いろんな女の子とデートするんだ。みんなに笑顔振り撒いてさ」
「…は?」
「私のこと、好きじゃなくなったなら、言ってよ。なんで隠れて女の子と遊ぶのよ」
私は混乱していたし、悲しんでいた。だから、彼の表情なんて見る暇がなかった。
「いや、デートじゃないし…てか、そんなん気にしてたんだ?」
「そんなんって何よ…」
そんなのと一蹴されたことも許せなかった。