「冷え性だからさ、手を繋いでよ」 「あはっ、本当にあんたは不器用だな〜!」 不器用で、わがままで、こういうことは苦手で、 在り来りな言葉しか出てこない僕を、君はからかって でも、結局握ってくれて。 二人、寄り添って歩いた。 あのときはきっと、まだ街灯に照らされる影は二つだった。 ねぇ…そうでしょ?