特に、付き合うのなんのという話をしたことはなかったけれど、互いの家を行き来しているだけでなく、二人だけで出掛けることもしばしば。

ヒロくんの誕生日には、親御さんが家に招待してくれるし、それは我が家も同じことだった。

他にも、何かと家族ぐるみの付き合いもある。

小学校の頃、あまりの仲良しぶりに、周りからは散々冷やかされ、公認のカップルとまで言われていた。

私が中学受験をしたのは、そういう外野の喧しさから離れたかったのも大きい。

そんなこんなで、いつから付き合い始めたかハッキリしないような関係だったけれど…。

ヒロくんは、それこそ小学校の頃から、私のことを大好きだなんて、時折さりげなく言ってくれていた。

シャイな私は、どうしても素直になれなくて、いつも曖昧に笑ってごまかしてしまったけれど…ヒロくんには、とっくに心の奥まで見透かされていたようだ。

そもそも、私は一人でのんびり過ごすのが好きなので、本当に好きな相手でもない限り、こんな風に毎日一緒に居る筈もない。