フラれた後輩くんに、結婚してから再会しました

 
✳︎✳︎✳︎✳︎

「で、あれが、君の言ってた同窓生なんだ」

お風呂上がり、パジャマがわりのTシャツ姿でソファにもたれ座り、三本目になるビールのプルタブを勢いよく開けながら、夫はわたしに声をかけた。

「うん。部活の後輩。今は上司だよ」

嫌味たっぷりな言い方にわたしは険のある声で答えた。帰りみちも夫はずっと苛々としており、明らかにさっきの上月くんのことも、わたしのことも気に障ったようだった。

結局買い物はできずに、家にあるもので夕食を作ることになった。冷凍ごはんと玉ねぎとベーコンしかなくて、急遽オムライスを作ることにした。わたしはお腹いっぱいだったので、一人分を手早く炒め、卵で包む。

「ビール呑んでるのに、オムライスなんて」とこぼす彼を無視してサラダを添えた。

彼は不満げな顔をしながらも食べ始めたので、よっぽどお腹が空いていたのだろう。ビールも四本目をあけている。テレビではバラエティが流れ、スプーンのかちゃかちゃいうかすかな音だけが、リビングに響いた。

半分ほど食べすすめたくらいで、不意に彼は話の続きをはじめるように口を開いた。

「やっぱりあそこでのパート、やめたら」
「……どうして」
「なんか、ハンドメイドかなにかもやってるだろ。それで小遣い稼ぎになるなら十分じゃないか。なんだか、……みっともないよ」