覚えることは多いけれど、週に三日、夕方までのこの時間がわたしにはとても充実したものになっていった。そして、ハンドメイドのサイトの方でも新しい展開があったのだ。

わたしの作品たちがそのサイトでピックアップされたのがきっかけで、オーダー予約がすごく増えてくれたのだ。今までは自分でも、売れるかわからないものをサイトに出品していたのだが、オーダーは確実にお客さんの元に届く。プレッシャーはあるが、希望に沿って作るのもとても楽しかった。

夫の裕一は、新しく始めたわたしの仕事についてはなにも聞いてこなかった。「家のことが時間通りに整っている」ことが何より大事なので、わたしはそれに合わせられるよう、1日の動きを計算するようにしていた。

本当はそんなやり方、全く性に合っていない。

でも、彼に愚痴やお小言を言われることへのストレスの方がずっと辛いので、自分が動くことで彼の機嫌を損ねないようにしていた。気持ちが楽な方を選んでいるつもりだった。