画面にはお祝いメッセージと、わたしの作品、花柄のポーチと、かぎ針編みの花をあしらったピアスがsold outになった表示が出ている。

「やった! 売れてる……っ」

わたしは天井に向かって小さくガッツポーズをした。値段は控えめだが、丁寧に心を込めて作ったものだったので、それが誰かの手にわたるのはとてもとても嬉しい。
裕一には話していない、密かなわたしの癒しであり、楽しみだ。

次は何を作ってみようか。かぎ針編みで、お花のモチーフをたくさんストックしなくちゃ。あ、糸があんまりない。
 明日は以前のパートで仲良くなった吉野さんとランチだ。その前にショッピングセンターの手芸屋さんに行こう。

心に決めて、部屋を出る。裕一は先にお風呂に入って寝室にこもっていたから、きっと朝まで部屋から出てこないだろう。

 ゆっくりお風呂に浸かって、さっきの嫌な気持ちも流してしまおう。

そう決めて、わたしは浴室へ向かった。