そう言われると、なんとなく分からなくはないけど……。
「……冬馬さん、私は冬馬さんに多くを望んだりはしません。 ただあなたと一緒にいられたら、それだけで嬉しいです」
「美央……さん」
結婚なんて望んだりしない。だけど、好きな人と一緒にいたいっていう気持ちは変わらない。
「私は冬馬さんより十個も下です。……でも私は、あなたのことが好きなんです。 でも私みたいな子供、あなたには相応しくないかもしれません」
それを望むだけで、私にはおこがましいくらいだ。
「……でも私、あなたのことを思うと、ドキドキして……心が疼くんです。胸が張り裂けそうなくらい痛くなって……辛いんです」
この気持ちをどうにか出来れば良かった。でも……無理だったんだ。
「美央さん、ごめん。 そんな思い……させてしまって」
「……違うんです。あなたを好きになったのは、私です。 だから冬馬さんは、何も悪くないです」
私には、叶わない恋だった。 冬馬さんを好きになることも、許されなかった……。
「違うんだ、美央さん」
その私を止めてくれるのは、冬馬さんだ。
「違う……って?」
「俺も、美央さんのことが好きだから……苦しいんだ」



