「お待たせしました、シャケ弁と豚汁です」
「ありがとうございます」
冬馬さんに出来たてのお弁当を手渡す。
「あの、柿川さん」
「はい?」
「またジム来てくださいますか?」
そう聞かれたら……。
「はい。……もちろんです」
冬馬さんに会えるから、行かないなんて選択肢はない。
「良かったです」
「また予約しますね、ジム」
「お待ちしています」
爽やかな笑顔を向ける冬馬さんに、私は「ありがとうございました」とお見送りをした。
「美央、距離縮まってるじゃない!」
「そ、そうですか?」
鈴枝さんってば、喜びすぎ!
「冬馬さん、アンタに気があるんじゃない?」
「えっ!?」
そ、そうなの!?
「だって、すごい美央に話しかけてたじゃない!」
「そ、それはそうですけど……」
かと言って気があるかって言われると、分からない。
「その調子で、バンバンアピールしちゃいなさいよ!」
「が、がんばります……」
鈴枝さんの応援がすごすぎて、すごいプレッシャーになるよ……。
「次いつ行くの?ジーム?」
「え、えっと……来週あたり、ですかね」
「そう!頑張ってね、美央!」



