鈴枝さんの応援はものすごく嬉しいけど、なんだかプレッシャーを感じるよ。

「で、冬馬さんっていくつなの?」

「……あれ?」

 よく考えたら、年齢って聞いてなかったな。

「年齢、聞いてないかもです」

「そうなの? なんだ、もったいない」
 
 見た目からして三十代だということは、分かるのたが……。

「今度、聞いてみます」

「うん」

 そんなこんなで、一歩近付けたことは嬉しいのだけど……。

 彼女がいるのか、結婚してるのかも分からないから、まずはそれを聞いたほうがいいのかな……?
 でもあれだけかっこいいと、絶対彼女いると思う。 もしかしたら、結婚してるかもしれないよね?
  
 例え結婚してなかったとしても、想い人がいるとか、婚約者がいるとかだって、あり得るかもしれない。
  
 ああ、ダメだ……。考えたら考えただけ苦しくなるし、なんだかモヤモヤする。
 
「美央、何考えてるの?」

「え? あ、いや……別に」

 ダメだ。冬馬さんのことを考えると、集中出来ない。
 一旦、冬馬さんのことは忘れよう。 じゃないと、色々考えてしまって何も手につかなくなりそうだ。

「美央、そろそろお店開くよ」

「はい」